しっぽの動物小話
(更新)
みなさん、こんにちは♪
「ライラのしっぽ」代表の吉成しおりです。
ワンちゃんニャンちゃん、うさぎさん、鳥さん、カメさん、可愛い皆さん、そしてご家族の皆様お元気ですか?
突然ですがご質問です。
「マダニ対策してますか?」
もちろん、ここに読みに来てくださっている方のほとんどの方はペットと暮らしているかと思いますので、「犬にしてるよ」または「猫にしてるよ」とお応えされる方が多くいらっしゃるかと思います。
もちろん、薬剤の心配から予防ができない状態のペットちゃんもいらっしゃると思います。しかし中には「マダニ予防ってなに?」「必要なの?」「マダニって何?」と疑問をお持ちの方も多いと思います。
今回はマダニ予防シーズン到来につき、マダニについてお話させて頂きます。
【マダニって何?】
マダニの生態
「ダニ」という言葉をご存知の方は多いかと思います、
しかし「ダニ」と呼ばれるものは非常に多くの種があり何かに寄生するダニや寄生を必要とせず独自で生活をするダニ、もしくは成長ステージによってどちらかを使い分けるダニも存在します。
動物の耳の中に寄生して暮らす「ミミダニ」、ヒトを含む動物の毛穴に住んでいる「ニキビダニ」、家の中の布団などに暮らす「イエダニ」、調味料の中に紛れ込んだりする「コナダニ」等々、これらも全て「ダニ」の仲間ではありますが、これらとは少々分類の違う「マダニ」について今回はご説明させていただきます。
予防シーズン到来ですので、予防に迷っている方や動物を飼っていない方もぜひお付き合いお願い致します。
SFTSなどで近年問題となっている「マダニ」ですが、「マダニ」とは何でしょうか?
簡単に申しますと、「生きていくために動物の血液を吸う大型のダニ」です。
マダニは卵から生まれ「赤ちゃんの時代」「若者の時代」「大人の時代」に分かれおり、「赤ちゃんの時代」から脱皮を繰り返して「大人の時代」に向かいます。
「大人の時代」になったら雌は卵を産み、生まれたマダニはまた同じ「マダニの成長過程」を経て、また卵を産み繁栄が繰り返されていきます。
その間、全てのステージにおいてマダニたちも栄養が必要ですので、何かしらの動物にしがみつき、ノコギリのようなくちばしを動物の皮膚に差し込んで思う存分血液を吸います。
満腹になったマダニはその動物から飛び降りてひっそりと脱皮をし、次のステージに成長。パワーアップしてまた何かしらの動物にしがみつき血液を頂く。また飛び降り脱皮、または産卵をしてまた生きていくために血液を求め獲物(動物)を待つ。という生活スタイルを本能として持ち、繰り返されます。それを春の頭から秋の終わりまで続けます。
なんと「大人の時代」を生きている雌マダニはたっぷり血液を吸う(飽血と呼ぶ)と、1㎝ほどまで膨れ上がり、こらがまた最高に気持ちが悪いです。
【マダニの生息場所】
血液を求めている状態のマダニは、自慢の脚を使い上手に歩いて移動し、草木の葉の裏などに登って動物が通るのを待ち構えます。(特に春)
マダニの眼は発達していないため、ほとんどは主に動物が吐く二酸化炭素に反応し、二酸化炭素の発生源(動物)へ移ります。犬のまぶたや耳など顔周りによくマダニが付くのはこのためです。
上手く動物に飛び乗ることに成功したマダニはノコギリのような口を動物の皮膚の中に差し込み栄養(血液)を頂きます。
飽血したマダニは一度自ら動物から離れ落下し枯葉の下などに潜り脱皮をして成長します。
一皮むけて成長したマダニは、また歩いて植物の葉の先(裏)まで移動し新たな獲物が来るのを待ちます。(特に秋)
このライフサイクルを繰り返し子孫繁栄していきます。
マダニの暮らす場所は主に高めの草木の場所から落ち葉の下など低い場所、つまり植物や土のある幅広い場所、と言いたいところですが、植物がない場所(ケージの中など)でも生きていける種類もあるため、マダニの生息場所は想像を超える広範囲にあると言えます。
なんとも恐ろしいです。
【マダニがもたらすもの】
マダニに付かれる(寄生される)ことがなぜよくないかというと、「病気をうつされる」からです。
それは犬や猫だけでなく人間にも感染するものも多く、時には命を脅かすためとても危険なのです。
ではマダニから感染するものの一部です
・バベシア症(犬)
マダニの体内に寄生していて犬の赤血球の中に移り、住み着き、重度の貧血などを引き起こす危険な寄生虫
・ヘパトゾーン症
マダニに寄生する寄生虫。マダニの体に辿り着く前に犬や猫の口から体に入り込み発熱や貧血などを起こさせ、マダニの到来を待つ。
※吸血されることではなくマダニを気付かず食べてしまうことで感染します。
・重症熱性血小板減少症(SFTS)(感染症法第4類)
このウイルスを持ったマダニに吸血されることで感染し発熱や重度の貧血、神経症状などを引き起こします。まだ解明されていないことも多いのですが、ヒトと動物で感染し合い、特に猫とヒトが重症化しやすく大変危険と言われています。唾液の中にもウイルスが紛れていますので、感染した犬や猫のお世話やスキンシップの時にヒトが感染してしまうケースが多いとされています。
他にも
・日本紅斑熱
・ライム病
・ダニ媒介性脳炎
などの重篤な感染症を引き起こします
【人間の予防と殺虫剤】
家庭内でマダニを発見する場合の多くは、「犬に付いていた」パターンが最も多いかと思いますが、実は人間が持ち帰ってしまうケースも多いです。
登山や山菜取りをされる方は対策をされると思いますが、まずヒト側のマダニ対策としてはマダニが生息していそうな場所に入るときには「素肌を出さない」「ゴムやビニール製の衣類で防御する」「忌避剤を使用する」です。
しかし人用の忌避剤の一部では「動物に毒性持つ」ため、あまりお勧めできません。
動物用の「マダニ予防剤」の方がずっと安全性が確認されているため(一部例外を除く)、ご家庭で犬(と猫)を飼われている方には、ペットちゃん側に予防をしてもらうことも望ましくなっています。
※ヒトは忌避剤以外の対策も続けて大切です。スニーカーに付いていたなんてことも。
【犬猫の予防の種類】
マダニに吸血されてから48時間経過後にマダニが持つウイルスや雑菌が感染すると言われていますので、くっついたマダニはいかに48時間以内に駆除できるかが肝心です!
ではペットちゃんに「マダニ予防をしよう!」と思った時、「スプレー型」「垂らす薬」「飲む薬」など様々な種類があり迷われる方が多いと思います。それぞれ何が違うのか簡単にご説明します。
・スプレー型(動物病院で処方されるものを使用しましょう)
ほとんどのスプレー型はマダニをこれ以上生息させないための薬剤がふくまれており、「予防」よりも「付いてしまったマダニ」に対しての使用目的が多いです。
・スポットオン型(動物病院で処方されるものを使用しましょう)
プラスチックの容器に液状の薬が入っていて犬猫の皮膚に「垂らすタイプ」です。薬品によってマダニに対しての「攻撃方法」に違いがありますが、「犬猫の毛穴」に作用が届き、マダニが吸血したり、付いたりしたことで48時間以内に駆除または忌避されます。「毛穴」に効果が溜まりますので「毛穴の少ない箇所」ではマダニへの攻撃力が落ちやすく、「まぶた」や「耳の先」などは侵入を許してしまうことがあります。しかし被毛全体に効果を届けるタイプもありますので、生活スタイルと犬の性格や体質とよくご相談されて決めると良いと思います。
・飲み薬型(動物病院で処方されるものを飲ませしょう)
その名も「飲み薬」です。飲むことで全身の血管の中に薬が入り、マダニがその血液を吸うことでマダニが成長できない、または生きていけない成分でマダニを24時間以内に駆除できます。
「血液」に成分が入っているので、スポットオンよりも効果が均等でほぼ確実と言われています。しかも24時間以内にマダニ駆除ができるので安心です。
しかし逆に言うと吸血してから駆除効果が出るため、一気に大量のマダニが被毛の上を歩いている!となった時には吸血を待つ訳にはいきませんので、洗い流したり目の細かい櫛でひたすら除去、などが必要になります。(しかしなかなか取れないのがマダニ)
ですので、1番安全性が高いと言われている飲み薬ですが、こちらも生活スタイルや性格や体質などでしっかりとご相談して決められることをお勧めします。
「病院では〇〇タイプの薬しか出してくれないのですが」と仰る飼い主様もいらっしゃると思います。
わたしも春になるとこのようなご相談をよく受けることがございます。
ですがそれは病院側が意地悪をしているわけではないのでご安心ください。
大きく「安全性が高いとされ実績がある」ことや「ペットちゃんと飼い主様の負担を考慮して」などの理由でその薬をメインで処方されているかと思います。ほとんどの病院様はこうされていると思います。
アグレッシブなワンちゃんで、スポットオンタイプをお願いしたい。
飲み薬をどうしても飲んでくれない・・・。とお悩みのご家族様はそのお気持ちを丁寧に病院の方にお伝えすると良いでしょう。
「うちの子は草むらを走るのが好きでよく被毛にたくさんのマダニを付けてしまう」
「どうしてもどうしても飲まなくて毎回噛まれるんです・・・」など。
処方して頂けるかどうかは別として、その子の体質などを知っている病院の方のアドバイスを聞いて薬の選択のヒントをもらえるかも知れません。
もちろん、救急対応されている時などは避けてあげてくださいね。
予防していても「マダニを寄せ付けない」工夫は必要です。マダニが生息していそうな場所は避け、洋服(暑くならないように)を着用し、犬猫にも安全な虫よけスプレーも良いでしょう。
中には全ての予防薬が体質的に合わなく投与できない(体調を崩す)犬猫ちゃんもいらっしゃいます。予防にために健康を害するのは良くないですので予防薬以外の方法を取り、ペットと飼い主様の安全で楽しい季節をお楽しみください。
【予防は必要?】
今まで述べたように、マダニから感染するのは動物やヒトにも共通にあり、
ペットから飼い主、飼い主からペット、飼い主からほかのヒト への感染を広げてしまう可能性もある大変危険な存在です。なので「予防」や「マダニを寄せ付けない工夫」をして
楽しいシーズンをお過ごしください。
【結論】
簡単にと言いながら大変長くなってしまいました。
マダニは人獣共通感染症をもたらす大変危険な存在です。以前は日本の南の方にしか生息しないと言われていた種も着々と北上し北海道の可愛いペットたちまで近付いています。
現在、他国では中南米だけに生息していた人獣共通感染症をもたらす寄生虫が北上し、飼い犬への予防が増していく現象が起きています。
マダニの存在もマダニが広げる感染症も、予防方法も含め地球の環境と深い繋がりがあり、世界において大変問題視されています。
ペット(犬猫)にマダニ予防をすることは我々ヒトへの予防につながるだけでなく、マダニを「増やさない」ことが世界・地球全体への貢献のひとつとなっています。
マダニを標的に一致団結。
マダニがもたらす「ヒトと動物の愛と絆」(?)
人と動物のより良い共存環境への道に、実は「マダニ予防」もあるお話でした。
大変長くなりましたが、
ヒトも犬も猫もマダニを「付けない!」「持ち帰らない!」で
楽しいペットライフをお過ごしください。
最後までお読み頂きありがとうございました。
※新しい情報や更新情報等がございましたらぜひご提供のご協力お願い致します。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ペットのトータルケア 「ライラのしっぽ」
ライラのしっぽは、『ひととペットの防災講師』『ペットの訪問介護』『ペットシッター』をお受けしております。地域のペットの「知恵袋」的な存在を目指しております。ペットのことなら何でもご相談下さい。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
この記事に関するキーワード

しっぽの動物小話 第五回「春、仔猫を見かけたらまず考えること」~保護する前に知っておきたいこと~

しっぽの動物小話 第四回「どうして野良猫って増えるの?」~猫の繁殖のしくみ~

しっぽの動物小話 第三回「マダニが活動する季節が始まりました!マダニについて知ろう!!」